海外事業の品質管理の秘訣
日本と海外事業との間でよくある話しの中に、 すでにその事業は海外展開されて動いているが、
「どうも思った様な採算性がでない」とか
「時々、品質や納期の問題が出る」等などがある。
どこか日本のオペレーションと「軸」がずれている様な問題と取り組まなければならないと云った技術屋に一言アドバイスしよう。
サクセスストーリーに基づいた解決
この様なことに出会うと、多分3~6ヶ月程度の短期海外派遣でなんとか解決せよと命令が下るだろう。
そんな時には、まず「サクセスストーリー」を作って問題解決の推進をすることをお薦めする。
このサクセスストーリーには3つの要素がある
- 技術的・管理的に日本とずれが生じている事・変動巾が大きい事を全工程にわたって列記したもの
- 上記の確認・対策が進んで行く時 その結果の状況が逐一見えるツールを明確にしておく(ex 工程歩留り・機種別歩留り 等々)
- 海外事業所の管理者から一般作業者、またはラインからスタッフまで 関係者全員をサクセスストーリーに向かせる策略をねる。
こうして見ると貴方はきっと1、2はいつもやっている事である。
しかし、3とは何ぞや?ときっと思っているだろう。
海外事業所にはたぶん
「歩留り向上・納期短縮・在庫削減・資材削減・合格率向上」等々、たくさんの活動が有り、 それに現地の管理監督者がすっかりはまっているのが現実の姿だろう。
生産工場はどこの国に行っても、どんな時でも「よい物を早く(納期どうりに)安く作る」ことには変わりはないわけだから 気持ちは判るが、ここのところにメスを入れることが戦略なのだ。
全ては歩留まりを向上することで解決する
そして、この”KEY”となる考え方が
「全てが”歩留を向上”することで解決する!」
という考え方だ。
「なんと云っても生産工場は良い物を作ることが原点なのだ」
しかるに上記の もろもろの活動を下記の様に変換して行く。
納期を短縮するには余分なものは作らない
在庫を削減するには余分なものは作らない
資材を削減するには余分なものは作らない
合格率を上げるには不良品を作らない
e.t.c…
この様に論理を進めて、「全てが歩留を向上することで解決する」ことを導き出し、分散している力を一点に集めることが大切であり、これを現地のTOPから表明させることだ。
そしてそのTOPが表明する時にもう一言だけ入れてもらうことを忘れない事だ。
それは、
「この活動はどんな事をしても達成しなければならない。未達成の言い訳は聞かない」
ということ。
解決策
ここまでくれば、あとは上記の1の変動型・変位型の問題を簡単なものからで良いから次々に検証して行けば良いわけで、 しかも その状況は、2のツールが逐一明確に結果を表してくれる。
さらに、常に右肩上がりのグラフで示されるならば、いやがおうでも活動は盛上がり、問題の解決は早まるだろう