サファイアの熱特性(高融点)
サファイアは融点が2040℃あり、一般的なガラスと比較しても高融点の特性を持つ素材です。
熱伝導率も高いため、高温環境での工業部品・光学部品などに適しています。
サファイアの特性(融点)比較
サファイア | 石英ガラス | BK7 | |
---|---|---|---|
融点・軟化点(℃) | 2040 | 1720 | 718 |
融点と軟化点とは?
ガラスは温度上昇とともに柔らかくなる性質を持っています。
融点とは、固体が融解して液体になる温度を表しています。
サファイアのように不純物が少ない物質では融点が明確に測定できます。
一方でさまざまな物質を混ぜ合わせて生成された物質では、含まれる物質によって融点が異なるため、固体が融解して液体になる温度が明確に測定できません。
その場合には軟化点を用いて表しています。
サファイアと高融点金属の違い
サファイアは融点・熱伝導性が高く熱特性に優れていますが、融点だけで見た場合にはもっと高融点の特性を持つ素材があります。それが金属です。
高融点金属には、タングステン・タンタル・モリブデン・レニウム・ニオブなどがあり、ガスタービンや航空機の耐熱シールドなど超高温環境下において活躍する素材です。
サファイアと低融点ガラスの違い
低融点ガラスとは、通常よりも低い融点を持つガラスを指しています。融点が低いため、融解・成形をしやすいメリットがあります。
低融点ガラスの中で粉末状のものはガラスフリットと呼ばれています。
プラスチックや樹脂などに比べると、ガラスは高気密性・高耐久性を持っています。
そのため低融点ガラスは、金属表面の保護材・セラミックスや電子部品等の接着材等に幅広く活用されています。
サファイアは、ガラスの中でも高融点という特性だけでなく、物理的特性・熱的特性・機械的特性・光学的特性・化学的安定性など優れた特性を持っています。
人工的に育成・化学的に強化された高純度単結晶サファイアは、産業分野などさまざまな分野で活用されています。
高融点特性を活かしたサファイアの使用例
- 青色・白色LED基盤として
– GaNエピタキシャル成長時の高温環境で安定して使用できる - 各種高温・高圧下での透明なガラス窓として
– サファイアは熱特性に優れ硬度も硬いため、高温高圧など超臨界環境でも利用可能
– 光透過性も高く、各種試験装置の観察窓など - プロジェクター用偏光板
– 光透過性と熱伝導性が高い特性を活かし、プロジェクター用部品に使用 - 半導体製造装置の部品
– 耐薬品性の特性を併せもつため、半導体製造においてサファイアは欠かせない材料
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サファイアの優れた高融点特性を活かした加工をご希望の方や、既存素材でお困りの方は、無料サンプルを事前にお送りすることもできますので、お気軽にご相談ください