サファイアガラスの有機溶剤などに対する耐薬品性はとても高く、溶解する心配がありません。既存の素材でお困りの方にとってよい解決策となっています。
プラスチックの耐薬品課題
プラスチック製品は、多くの優れた性質を持ち、幅広い分野で活躍していますが、その反面、金属などと比べ薬品に対して注意が必要な性質も持ち合わせています。
一般的にはプラスチックが溶剤に触れると機械強度が低下したり、重量が変化したり、割れが生じたりすることがあり、特に割れに関しては、薬剤とプラスチック材料の相性に気をつけなければなりません。
有機溶剤はプラスチックを溶かす
基本的に有機溶剤はプラスチックを溶かしますし、樹脂も溶かしてしまいます。従って有機溶剤にプラスチック材を利用する場合、メーカーの注意事項をよく確認しておく必要があります。
塩化ビニールやポリエチレンなどプラスチックの有機溶剤への耐性は、メーカーが一覧表を出していることが多いので「耐薬品 プラスチック 一覧表」などと検索されるとよいと思います。
サファイアの耐薬品性試験例
弊社の手元にある実用例を下記に記載いたします。ほとんどの場合で溶解重量の変化がなく、耐薬品性がとても高いのが特徴です。
溶剤 | 条件(浸漬) | 結果 |
---|---|---|
塩酸 | 35% 20℃ 6days | 溶解重量変化なし |
硝酸 | 50% 20℃ 6days | 溶解重量変化なし |
燐酸 | 60% 100℃ 6days | 溶解重量変化なし |
硫酸 | 95% 100℃ 6days | 溶解重量変化なし |
カセイソーダ | 30% 100℃ 6days | 溶解重量変化なし |
フッ化水素 | 46% 60℃ 6days | 重量変化微小(△=0.0038g) |
石英ガラスの耐薬品性課題
石英ガラスもまた優れた耐薬品性をもつ素材として、様々な研究現場で利用されています。しかし長時間の利用には注意が必要であることも多く、その目的で弊社にお問い合わせを頂き、実験の結果サファイアガラスの容器に変更されたお客様もいらっしゃいます。
弊社の実験においても、上記と同等条件において石英ガラスの融解による重量変化を認めております。
サファイアガラスの耐薬品性は非常に高いため、フッ化水素酸対応の高機能なパーティクルカウンタなど一部の精密測定にもガラスの代わりに利用されています。
お気軽にご相談ください
もし現在お使いの素材の耐薬品性でお困りの場合は、お気軽にご相談ください。無料サンプルの貸し出しも行っております。